今回もラストドライバとして、わたしACEがドライブすることとなりました。

数周周回を重ねた時点で、腕が痛くなってきた。
こんなんで最後まで走りきれるかな。まあ頑張るしかない。

燃料の残量が半分になったので、ピット前を通過するときに腕を45度にして半分だということを知らせてみる。
事前に打ち合わせしていたわけじゃないので、たぶん何のサインかわからないだろうな。
そもそもサイン出していることすら気が付かなかったりして…。

ず〜っと孤独に走っているので、せめてホームストレートでは何かコミュニケーションを取りたくなるものだ。

しばらく周回を重ねたあと、ホームストレートで無線が入った。 (ドライバとピットとの情報のやり取りの為に無線機が積んであるのだ)
しかし、車の騒音とノイズで、何を言っているか聞き取れなかった。
それ以降、何も言ってこなかったので、たいした事ではないのだろうと思っていたが、 結構重要なことを伝えていたことなど知る由もなし。

しばらく周回を重ねていると、後から赤いビートが来るのが見えた。
あれは確か…

…だよな。

追いつかれたので先に行かせて、後をついて行くことにする。
後を走って驚いたというか、自分の走りがまだまだ甘いと言わざるをえない走りが、 目の前に繰り広げられた。
十勝の2コーナーをドリフト気味に、カウンターを当てながら走っていくのである。
「ビートってそこまで行けるんだ」と思い、これがこのドライバと私の差であることを痛感した。

感心ばかりもしていられない、同じようなコーナリングをしなければ、 そのまま引き離されていくだけなので、頭を切り替えてアクティブな走りで、 この赤ビートを追っかけることにした。

ストレートでは軽量化されているこちらの方が圧倒的に有利なので、 コーナリングさえ頑張れば後にくっついて走るのは、 さほど大変ではなかった。
逆にヘアピンなどは、ノンスリが入っている分こちらの方が圧倒的に楽に走ることができた。

しかし、このドライバは凄い。離れないし、コーナーでは常にインを刺してこようとするのだ。
S字立ち上がりからホームストレートではあっさりこちらが前に出るのだが、 その後すぐにスリップストリームにつき、1コーナーでインを刺してくる。

ここでがんばって争ってもいいのだが、共倒れする危険性もあるし、 疲れる(笑)ので、あっさり譲ることにする。
そう、後続よりも前走者の方がプレッシャーがかかって大変なのである。
おまけに車のポテンシャルは上なので、ついて行くのも楽でプレッシャーをかけやすいのだ。
なんて卑怯な大人なんだろう(笑

インフィールドで後からプレッシャーをかけて、ホームストレートで抜いて、 1コーナーで先に行かせるということをしばらく繰り返し、 残り時間が4分をきったとき、最後のストーリーが出来上がっていた。
S字まで後についていき、ホームストレートで抜くと、 ちょうどゴールライン手前で前に出ることができるのである。

あとは実行あるのみ。
赤ビートに食らいついていき、コーナーを1つ1つクリアしていく。
着実に勝利(実際の順位には関係なく、途中の無線はそのことを知らせるものだった) に近づいているのを感じ、最後のS字へと向かう。

しかし、そこに思わぬ伏兵が…そう、周回遅れである。
周回遅れをうまくパスできず、赤ビートと差が広がってしまった。
「しまった!」と思っても後の祭りである。
懸命に追い上げるが追いつかない。
「これじゃ、ゴールライン前に抜くことは不可能だ」 せっかくここまで追い上げたのに最後の最後でミスった。

がっくりしながら、ゴールを見るとチェッカーが振られていないことに気づいた。
ゴールポストの残り時間のカウントが、47s と表示されているのが目に入った。
「そうか、まだ1周あるんだ」再び巡ってきたチャンス、 今度は何が何でも食らいついてやる。

ホームストレートのエンドでまた追いつき、また熱いバトルの再開だ。
1コーナー、2コーナーと食らいついていき、裏ストレートへと向かうところで、 またしても周回遅れの車両が見えてくる。
ヘアピンの入口でしっかりと減速して、アンダーを出さないようにすれば、 ノンスリが入っている分、こちらの方が立ち上がりで有利に立てる。

2台のビートがテールトゥノーズでヘアピンに進入する。
赤ビートが外にふくらむその内側を、こちらはラクラクと立ち上がっていく。
赤ビートの前には周回遅れがいて、立ち上がりラインを塞いでいるので、 どこにも避ける事ができない。

このとき勝ちを確信し、次のコーナーへと優々と立ち上がっていく。

前方の内側に周回遅れが1台、外側にはF2 RACINGが走っていた。
周回遅れを抜く為に、F2 RACINGの後のイン側をキープしながらコーナーに進入すると、 何とそのわずかな隙間を赤ビートが刺してきたのである。

そのアグレッシブな走りに負けて(どうせホームストレートで抜けると思ったのもあるが)、 再び赤ビートの後を走ることとなった。

再びテールトゥノーズの追いかけっこ。残るコーナーは4つ。
チラリとルームミラーを見ると、後ろからアイスマンが追い上げてくるのが見えました。

よりによってこんなときに、一番来て欲しくなかった車が来てしまった。

しかし、ここで抜かれるわけにはいかないので、 赤ビートに食らいつきつつ、後のアイスマンに抜かれないように、 コーナーを攻めていく。

そして、最終コーナーとなるS字。
ホームストレートに繋がる最終コーナーが重要なのは、説明するまでも無いが、 S字となっているので、1つ目のコーナーが最後のコーナーの立ち上がりに影響してくるので、 1つ目のコーナーが重要になってくる。

1つ目のコーナーを赤ビートに追突しない程度に慎重に侵入し、 最終コーナーへと切り返した。
赤ビートとの車間、立ち上がりライン、まさにベスト

今度こそ勝ちを確信して、アクセルを踏み込んだそのとき…
なんとガス欠症状が出て、失速してしまったのだ(泣

それを避けようとしてアイスマンが、土煙を上げてコースアウトした。
そして、赤ビートがどんどん離れていく。
そして、ビートニクス・レーシング・セクトのレースは終わった。

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